授業レポート

「パラスポーツを取り巻く環境と将来像」

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社との連携講座として開講している「パラアスリートと考える障がい者スポーツと共生社会」(春学期月曜5限)の7回目の授業は「パラスポーツを取り巻く環境と将来像」をテーマに3名のゲストを招いてパネルディスカッションが行われました。

1)講演「パラスポーツを通じた教育活動の現状」
  日本財団パラリンピックサポートセンター推進戦略部
  プロジェクトマネージャー マセソン 美季氏

 

マセソン氏は長野パラリンピックのアイススレッジスピードレースで、金メダル3個、銀メダル1個を獲得したパラリンピアン。
講演では障害をネガティブに捉えるのではなく、可能性として捉えることを説明。パラリンピックの力でその気づきを与え、教育の力で個々人が「発想の転換をすれば無限の可能性が拡がること」「社会にあるバリアを減らしていくことの必要性」を認識させていくことができると伝えました。

2)講演「東京都におけるパラスポーツを通じた活動と目指す方向性」
 
 東京都オリンピック・パラリンピック準備局次長 延輿 桂氏

 

東京都職員として、スポーツとは縁のないキャリアを積んできた延輿氏だったが、語学が堪能なこともあり、オリンピック・パラリンピックの招致活動に携わり、現在では準備局次長を務める。 講演冒頭で「私は運動が昔から苦手で、スポーツは嫌いでした」と発言したあとに、「パラリンピックには行政としてとても魅力がある」と述べました。
東京を誰もが生き生き生活できる共生社会都市にするために、パラリンピックは人々の意識や環境の整備を行う大チャンスであると説明。具体的な取り組みとして「理解促進」「普及啓発」「活動の場の開拓」「人材育成」「競技力の向上」の事例を紹介して頂きました。

3)パネルディスカッション

早稲田大学スキー部監督時に多くのオリンピック選手やパラリンピック選手を育成した、あいおいニッセイ同和損害保険経営企画部の倉田秀道氏が加わり、マセソン氏、延輿氏の3人によるパネルディスカッションが行われました。

パネルディスカッション
あいおいニッセイ同和損害保険経営企画部の倉田秀道氏
あいおいニッセイ同和損害保険経営企画部の倉田秀道氏

「日本のパラスポーツを取り巻く環境をどう認識しているか」「パラスポーツのムーブメントを高め、共生社会の実現を目指すために必要なこと」「東京は2020年以降、どのような方向に進むことが望まれるか」の質問に3氏がそれぞれ答えました。

マセソン氏は各国を車いすで移動をする上で、国によって居心地が異なることを指摘。現在の生活拠点であるカナダと比べて、日本に帰国すると「自分は障がい者なんだ」と意識させられると述べました。

これはハードだけの問題ではなく人の意識、気づき、想像力から来るものが大きく、東京2020大会を契機に、変化すること期待していました。

最後の質問は「上智大生に期待すること」

延輿氏は「パラリンピックのチケットを是非買って欲しい」そして「東京を共生社会都市にするために、気づいた人が変えていく、共に変えていって欲しい」と話しました。

マセソン氏はこの盛り上がりが、2020年以降を続くことを期待し、「いろんな人の意見に耳を傾け、そのままにしないで何ができるかを考えましょう」と呼びかけました。

最後に倉田氏は「皆さんが自分なりの一歩を踏み出して、人の痛みのわかる人間になって欲しい」と述べました。


その後、多数の質問が学生から上がり、それに応答する形で授業は最後まで盛り上がりました。